2016年1月22日金曜日

初荷は「ポーチ」


 今年最初の納品(注文品)は、木でも竹でもなく「「布製と革製のポーチ」でした。

昨年末に〆飾りと並行(蛇行?)して製作しておりました。
年が明けて元日の夜から寝込んだものの、無事、納めることが出来てホッとしました。
(1月9日納品済み。)

普段布物と、革物は仕事としてはあまり受けないようにしているのですが
今回はいろいろ条件がそろったこと等でやらせてもらうことにしました。



上の黒いポーチですが、最初の赤とベージュのポーチと似ていると思いませんか?
それもそのはず、「この黒いポーチと全く同じものを作ってほしい」という依頼でした。

元の黒いものは、アメリカの有名ブランドの作ったもの(TU??)。あるアメリカの航空会社のビジネスクラスに乗るともらえる(アイマスクなんかが入ってるやつ)んだそうです。

家に持って帰って使ってみたら自分の持ち歩きたいものにぴったりで、大変気に入っていたのだけれど何しろ飛行機に乗らないと手に入らない。

そこで、「とにかく、寸法から開き具合までぴったり同じ大きさのものが欲しい!」

・時間はどれだけかかっても一向構わない。
・色は黒じゃなくて、明るくしたい。(カバンの中で見つけやすいように。)
・素材は何でもいい。(元型はナイロン製。)
・「う~ん、赤もいいなあ、革もいいなあ・・・いや、二色使ってあるのもいいなあ~・・・。」

ふむふむ。
付き合いも長く、「赤と言ってもどんな赤が好きなのか」、「明るい色とはどんなイメージなのか」などがよく分かる人でしたので、あとは時間かけて良いものを作れば納得してもらえると思いました。

布製は赤とベージュのオックスのコンビ。
型紙は元のカバンから測って起こしました。
写真だと色が上手く写らなくて残念。
中は裏地を本体と一緒にバイアステープで縫い合わせ。
この作り方も元のポーチと全く一緒。
中が見やすいように明るい色の裏地に。
ファスナーのつまみは掴みやすいように
厚めの牛革で挟んで大きくし、アクセントにも。
どうせなのでふたつ作ってしまって、どちらか実物で選んでもらおうと、革製も作ることにしました。
(残った方は自分で使えばいいし。)
素材は豚革です。(アメ豚。)豚革は薄くて軽いのに適度な硬さ(ハリ)があり、
特徴的な毛穴の跡が単色でもアクセントになるかなと。
摩擦にも強くて丈夫なんですよ。完全国内需給ですしね。
手で持つとこんな感じ。
革は布で作るのとは同じ縫い方、作り方が出来ないので
中の寸法が同じでも外寸が大きくなりました。
中の裏地はありません。
仕上げ剤を塗った革をそのまま裏にしました。
つまみの革はこちらも牛革ですが、
ファスナーを開けた時はえんじ色、閉めた時は白が見えるように
二色で挟んであります。
自分でも「新年最初にいい仕事が渡せるな~」と思えるくらいやりきれた感じです。

結局、ありがたいことに二つとも気に入って頂けて、即断で二つとも購入してくださいました。
ちょっと自分でも使ってみたかったな~、という気持ちもあったんですが、
大変うれしい誤算でした。




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