2015年4月15日水曜日

犬の仕業と自分の仕業(写真多数)

今回も過去作です。
といっても、作ったというか、修理品です。
しかし、ほとんど創作品のようなものでもあります。


蓋を取ったところ
よく見るとあちこち歯形の穴がいっぱい
修理後の木箱
色の違うところが継いだ部分
























今から、五年ほど前でしょうか。
知人から「会わせたい」といわれ、その知人の友人の方のお宅へ
急に伺うことになりました。(ややこしい。)

突然訪ねて行ったお宅では、
なにやら大騒ぎ状態の空気が漂っていました。

挨拶も早々に聞くところによると、
飼っている犬が、留守中にイタズラして大暴れ。

色んなものが歯形にまみれていたのだけれど、
その時散らばっていたのは、陶器の入っていた木箱でした。

幸い、陶器は何でもなかったのですが
箱は、無残な姿に…

初対面の場だったのだけれど、おもわず
「部品が残っているなら、使える程度に直しますが…」
と、申し出たのでした。

叱られて、ちょっと小さくなっている犬を横目で見ながら。

幸い、飼い主さんも、私の申し出を快く聞いてくださって、
「箱として使える状態にする程度」を条件にしてもらい
受け取って帰ったのでした

反対側。
黒っぽい所はブラックウォールナット、
左三角部分はメープル。

蓋を裏から
白く見えるのが継ぎ足した所
桐材
時間経過で色の違いが
分かりにくくなっている。
上蓋の白は桐材、
箱手前上部はウォールナット、
箱右側上部はひのき。

下角に補強の金具を
真鍮で作って入れてみた。
彫金師気分で遊ぶ。
渡したときは
金ぴかだったのに
時間が経って落ち着いた色に
なっていた。

元の色に近い感じでやろうかと思ったんだけど、どうせなら
思いっきり、つぎはぎにしてやった方が面白いと思い色んな木を使ってやりました。
ありがたいことにとても喜んでくださって、ホッとしたのを思い出します。

たまたまその後引っ越した先がご近所で、最近は私の砥ぎ仕事の大事なお客様です。
まだ箱があることを聞いて、記録のために貸してもらったので。ついでにアップ。
かじってくれた犬は、この五年ほどの間に旅立ってしまいました。

縁をくれた、トト、ありがとね。



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